『黒人差別とアメリカ公民権運動--名もなき人々の戦いの記録』(ジェームズ・M・バーダマン著/集英社新書)を読んだ。2007年刊。
差別主義者として歴史に名を残す知事を祖先に持つこの早稲田大学教授(刊行時)の本を、まとめて公民権運動について勉強が無かった自分の無知と怠慢を恥じながら読んだ。
1954年の”「ブラウン対教育委員会」裁判”から1968年のキング牧師殺害までの流れを描いたこの本は、小ぶりな新書であるにもかかわらず、読みごたえがあった。
20世紀半ばにおいても、ジム・クロウ法を盾に”合法的な差別”がなされ、投票権ひとつまともに行使できず、バスにおいても座席が分離されていたわけで、黒人大統領が誕生した現在までの半世紀ちょっとの米国の変貌の凄さに改めて驚かされる。
60年代は、まだ南部においては 州軍が公務として黒人排斥を行っており、それを押さえるために一度ならず大統領たちは連邦軍を南部に送りこまなければならなかった、という、一種の内戦の記録は、あまりに重い。
この本が扱っている時代には、まだ「共和党=リンカーンの党=北部中心、都市部中心の党」であり、一方、民主党は南部での勢力が強く、特に深南部では民主党の運営そのものの中で黒人が排斥されていた、ということも見てとれる。
これが、70年以降、都市部での黒人の急速な社会的台頭に伴い、保守的な白人が郊外や非都市部へ移住し、並行して共和党と民主党の支持基盤が階層的にも地理的にも逆転していくことなったのだなあ、と思うと、これまたここ数十年のアメリカの政治的な変化は 本当に急激だったのだなあ、と改めて実感した。
































