★ボリス・グレベンシコフ / ラジオ・サイレンス(Radio Silence)★
そろそろ私にも「洋楽黄昏れ症候群」が現われてきた頃の話です。
発売1989年8月。
「ボリス・グレベンシコフ」
この名前だけ文字の級数を10倍にしたいくらいです。
そもそも知ってる人~?
いないでしょうね。。
説明しましょう。ロシア人です。
ロシアといえばロシア民謡?
カチューシャ、カリンカ、ステンカラージン、黒い瞳
ヴォルガの舟歌、悲しき天使、百万本のバラ・・
哀しい歌が多いじゃないですか。
彼の場合はソ連初のロックバンド「アクアリウム」を率いて
反体制音楽を歌っていた伝説のアーティストです。
ソ連のビートルズかボブ・ディランとまで言われた人。
今でもロシアの人で彼の名前を知らない人はいない
音楽界におけるまさに英雄、まさにカリスマです。
そのボリス・グレベンシコフの西側デビュー作が
社会的政治的な話題をバックにしてアメリカで制作され
日本でも発売されました。英語盤でした。
NHKで特番が放映されるという情報も入り、
このアルバムはいきなり全社の大プッシュとなりました。
新譜受注書にはこう書かれています。
「これがロック・ペレストロイカだ!
凍てつく大地からの熱いメッセージを聞け」
これを書いたのは担当ディレクターの土屋さん。
今年2007年4月に
「ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル」の
新CEOに就任されました!
簡単に言うとソニーミュージック洋楽カンパニーの社長です。
しかもグループ初の女性社長の誕生です!
おめでとうございます。
時代的に洋楽が苦しい時の舵取りは大変でしょうけど
そもそもバイリンガルな上に優秀な人なので
かつて私も愛した「洋楽」の更なる活性化に期待します。
ついでに書きますが、同じ4月から私、野中規雄は
ソニー・ミュージックダイレクトと
その洋楽カンパニーの会長を兼任することになりました。
(こっちは土屋CEOをサポートする爺や役です)
んで・・ボリス・グレベンシコフですけど、
予想通り、まったく売れませんでした~~!!
商業的には「大失敗」ってとこですね。
ミゲール・ボセくらいの失敗ですか。
いや、シェイキン・スティーヴンスくらい?
もしや高久さんのロベルト・カルロスくらい?
総売上12000枚。
返品9000枚。
実売の数字よりもむしろ返品率75%という精神的痛手でした。
ただ、売れなかったせいで、一般的には無名でも
当時関わったスタッフにはまだ鮮明な記憶があるらしく
未だに飲み屋でこのアーティストの名前を出すと
みんなが声高に思い出話を語り始めます。
当時営業の旗振り役で、現在は我々の上位会社
ソニーミュージックエンタテインメントCFOである
鈴木明さんもこのアーティストはきっと忘れられないことでしょう。
今度飲んで話そうかい?
土屋担当ディレクターの名誉のために書いておきますが
この失敗は若かりし担当者のせいではありません。
販促が大々的なキャンペーン対象にすること自体に
無理のある音楽だったんです。
タトゥーじゃないんだから。
ちょうどソ連が崩壊に向かいつつある時代に
アメリカが仕掛けたプロパガンダの一環として
米CBSが乗ったんじゃないかと、今になっては思います。
今でも活動していると聞きました。
ボリス・グレベンシコフ、(ある意味)記録にも
記憶にも強烈に残っているアーティストです。





































