みひろさんは平成の美保純でした。
いやあ、最高でしたよ「SR サイタマノラッパー」。
知人に勧められてHPをチェックしたら予告編ちら見の時点で直感が「ここここれは!」とビリビリ反応。聞けばリバイバル公演も今週いっぱい。焦り訪れた宣伝業務帰りの渋谷のレイトショー。若い男女であふれる熱気むんむんの劇場にてひとり寂しく乗り込んだ甲斐があったってえもんです。埼玉県の、きっと関越道を30分以上ぐーっと北上した地域が映画の舞台かと思われます。妻の実家がそこいらへんなのですがいつ訪れても、
「うーん、わびしい。」
そう呟いてしまう土地。乾燥した北風と、それによろめく野良犬がよく似合う土地。西海岸と東海岸、どっちの芸風でラップしようか悩んでも、そもそも海がない。そんな土地、サイタマ。その埼玉が、サイタマゆえにこの上なく切ない最高の舞台になるなんて。否、最高の舞台に仕立てあげてしまうなんて。デキる人って、いるもんですね。監督さん、天才です。
特筆すべきはラストシーン。固定のワンカメ。10分にも及ぼうかという長芝居。しょぼい焼肉屋がロックインジャパングリーンステージほどのボルテージに高揚するパフォーマンス。主役も脇も非の打ちどころのない演技。や、そもそもあれは芝居なのか。それともフリーでやったらああなっちゃったのか。どっちにしろ、神様こぞって降臨しまくりでした。そしてカメラは、きっちりとミラクルを捉えていた。
きっと低予算で作られたのであろう本作品。
映画って一体おいくら万円あったら作れるものなのか想像もつきませんが、例えば100億円かけたハリウッド映画で感じた面白さを100、対して1000万円で作った邦画を80面白いと感じたとします。前者は1面白につき1億円かかり、後者は12万と5千円。製作費÷面白さ。これを面白係数と名付けるとしましょう。このケース、後者邦画は前者ハリウッドに勝ること実に800倍の面白係数を勝ち得たことになります。これはちょっと、すごい。800倍て。このぶっとばし加減は、ロック。ストリートがメインストリームを乗っ取りあげている。サイタマのニートがハリウッドのレッドカーペットでフリースタイル。なんかもう、わけわかんない状況。
ま、だからっつって後者が100億もらったら同じ面白係数でものをつくれるとは限らんですけどね。そりゃあ、そうだ。でも、やってくれたら痛快だなあ。
クリントイーストウッドが見せてくれた20世紀のアメリカのレクイエム、「グラントリノ」も最高だった。いいね最近、映画って。
こんどは誰かと行きたい。





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